ディレクターよ、限界を超えて妄想せよ。
言いたかっただけです。ごめんなさい。
「そこまでは考えていませんでした」「いえ、それは今回の考慮に入っていません」
こんな言葉を聞くことが最近増えています。
この言葉を話さなければいけない状況に陥っていることが、すでに負け戦の香りもしますが、実際ありえるのもまた事実。
こんな言葉を聞くことが最近増えています。
この言葉を話さなければいけない状況に陥っていることが、すでに負け戦の香りもしますが、実際ありえるのもまた事実。
ウェブディレクターは万能ではありません。未来をすべて見通すことは不可能です。
ですが、様々なパターンを考えて、対応できる準備をすることは可能でしょう。
ですが、様々なパターンを考えて、対応できる準備をすることは可能でしょう。
今回は、そんな「計画」のお話です。
合意はしたけどひっくり返る
せっかくなので、実例を交えて。
制作仕様を事前に定義していたプロジェクトがあります。
# 制作仕様は、HTMLを作るために必要な情報を詰めた定義書、とします。
ウェブページを作る場合、全ページに共通な要素は、パーツ (呼び方は色々あります) という形で共通化することが多いです。
その共通化の方法として、「パーツの共通化 (include) は、JavaScriptにて行う」ということを、制作仕様で定義していたんです。
もちろん、クライアントも合意しています。
プロジェクトは進み、無事に公開が終わりました。
ところがその数日後、クライアントから電話がありました。
「検索結果の順位が悪くなった。原因をたどるとJavaScriptでのincludeが良くないということ。どうしてくれるのだー!」
「検索結果の順位が悪くなった。原因をたどるとJavaScriptでのincludeが良くないということ。どうしてくれるのだー!」
あなたは主張します。
「制作仕様を決める段階で、include方法も決めたじゃないですか。その方式で実装しています!」
「制作仕様を決める段階で、include方法も決めたじゃないですか。その方式で実装しています!」
この主張は正しいです。
でも、クライアントはこう言いました。
「あの決定がこういう、影響を与えるとは聞いていない。直せ」
でも、クライアントはこう言いました。
「あの決定がこういう、影響を与えるとは聞いていない。直せ」
結局、説明できていないことを認め、仕様定義を直し、全ページ直しました、とさ。
事前調整ができず結局公開延期に
CMSの追加開発案件の事例です。
このプロジェクトでは、「○月○日に機能をリリースします」という合意がなされていました。
また、追加開発のスケジュールもクライアントと合意しており、遅延やリカバリのコミュニケーションなどもよくとれていたほうです。
多少の遅れはあったものの開発は順調に進み、Releaseの3日くらい前に、リリースのタイムテーブルを作成し、クライアントに説明します。
「当日、半日ほどCMSを利用できない時間があります。その時間を利用してリリース作業を行います」
「当日、半日ほどCMSを利用できない時間があります。その時間を利用してリリース作業を行います」
クライアントの反応はこうでした。
「いやいや、業務で使っているツールを突然止めてと言われても無理だ。なんでこのタイミングでそんなことが出てくるのか!」
「いやいや、業務で使っているツールを突然止めてと言われても無理だ。なんでこのタイミングでそんなことが出てくるのか!」
あなたは主張します。
「開発中は予定を明確にしきれず、停止時間が明確になった今、説明しています」
「開発中は予定を明確にしきれず、停止時間が明確になった今、説明しています」
でも、この主張は通りません。
「業務に影響が出すぎるから、予定通りの公開は無理だ」
というクライアント側の主張が勝ちます。
「業務に影響が出すぎるから、予定通りの公開は無理だ」
というクライアント側の主張が勝ちます。
結果、予定していたリリースを延期し、クライアント社内周知期間を十分にとった上でリリース作業を行いました。
計画通り、と笑うには
# 笑い方のイメージはデスノートの夜神月くんです。
どれだけ未来のことを考え、影響を洗い出しておくかです。
影響を洗い出すには、関係図を書くと良いでしょうね。
そして、何か合意形成を行うときは、その決定が及ぼす影響も明確にするのです。
影響を洗い出すには、関係図を書くと良いでしょうね。
そして、何か合意形成を行うときは、その決定が及ぼす影響も明確にするのです。
最初の例であれば、include方式が及ぼす影響まで話しておくべきでした。
メリットデメリットを提示し、納得いただくか、判断いただく形が良いでしょうね。
メリットデメリットを提示し、納得いただくか、判断いただく形が良いでしょうね。
未来はわからないが、妄想することはできる
どんな人でも未来のことを約束できる人はいません。
だけど、友人と未来のことを話している時間って楽しいですよね?
それを活かして、仕事でも妄想しまくればいいんです。
これがこうなると、あれがああなって、だからこうなってしまう、とか。
うまくいけばこういう未来だよね、だけど失敗するとどん底、とか。
宝くじがあたったら、仕事やめて自由に暮らすんだ、とか。
告白がうまくいったら彼女とイチャイチャするんだ、とか。
この戦いから戻ったら結婚するんだ、とか。# これは○亡フラグ
未来の話をすると鬼が笑うといいますが、鬼に笑われてもつい話しちゃうのが未来の話です。
そんな軽い感覚で、仕事の未来の話もしちゃえばいいのです。
難しく考えずに手を少し動かせばできる
自分が持っている情報を全部マトリクス上に並べて、組み合わせを作るのです。
html制作、と聞いたら思い浮かぶワードをすべて、縦軸と横軸に並べて、考慮要否の○×をつけるだけで、思いがけない気付きが得られるかもしれません。
そのような書き出し方までやって洗い出せなければ、あなたには洗い出せないレベルの影響なのです。
周りの人を頼りましょう。
ちなみにこの書き出し作業。そんなにがっつり考えずに、割りとてきとーでいいんです。
てきとーに書き出すだけなら、おそらく15分もあればできるでしょう。
てきとーに書き出すだけで未来の危険を防げるなら、やって見る価値あると思いませんか?
てきとーに書き出すだけで未来の危険を防げるなら、やって見る価値あると思いませんか?